介護保険で医療と介護が望める施設

施設によって、入所中に他科診療をしたときに健康保険が使えるか異なります。初めにこれをはっきり認識した方がいいです。
ただし、患者が透析患者であれば老健入所中も透析クリニックに通うときに健康保険が使えます。ケアマネージャーもこの辺りを正確に分かっている人はいないと思います。

1)介護老人保健施設(老健):軽度障害

老健は短期の入所しかできません。家族が病気のときなどにも使える施設で、比較的入所しやすい施設だと思います。
老健ではリハビリもしますが、その回数としては少ないと思います。

ちなみに、筆者の母は筆者が開腹手術をするため、二か月ほど透析クリニック付きの老健に入っていましたが、ずっと車椅子生活をさせられたため、それまで使えていたシルバーカートで歩くことはできなくなりました。施設は入居者が怪我をするのを恐れるため、車椅子に利用者を乗せたがります。結果的に足腰はどんどん衰えていってしまいます。

足だけではありません。母が退院したときは、他の人と会話をしないため、顔の筋肉が衰え、すっかり人相も変わってしまっていました。冬場はインフルエンザで面会することもできず、ガラス超しでしか母に会うこともできませんでした。
老健はアクティビティなどの時間がないことが多いので、比較的元気な人が生活するのがつらいことも多いかもしれません。

主治医は老健の医師

担当ケアマネージャーも老健のケアマネ

介護保険の下で作られている老健入所の場合は老健の医師が主治医です。
ケアマネージャーも老健入所中は老健のケアマネージャーが担当となります。

健康保険は使えないが例外がある

健康保険法では、介護保険法による給付が受けられるときは、健康保険を使えないと定められています。老健入所中は、基本は他科受診は保険適応とはならず、全額自費となります。例外は歯科や透析患者など障害者の場合です。
介護老人保健施設入所者に対して医療保険から算定できる医療サービスの概要については下を参照のこと。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1022-8h.pdf30302E707074> (mhlw.go.jp)

透析患者は老健入所中も健康保険で透析を受けられる

透析患者は障害者なので老健入所中でも、透析病院には自腹を切らずに通える。これはケアマネージャーが知らないことが多い。

医師が常駐看護師が24時間常駐しているところも多い。
在宅復帰のためのリハビリ自立生活復帰支援のための施設。
●施設で生活できる期間が短く(およそ3~6か月)、終身利用はできない。
●リハビリは「入居者1人に対して週2回以上行う」という規定があり、1回のリハビリ時間は20分~30分程度。週2回のうちの1回は、集団でのリハビリでもよいことになっている。
●身体介護生活援助食事提供
●(対象)65歳以上で要介護1以上の高齢者
●(費用)入所一時金はない。施設に入所した後の月額利用費は9万円~20万円程度(居住費・食費・介護サービス費・サービス加算が含む)。その他洗濯代、娯楽費、理美容代などは実費負担。

2)介護医療院: 重度の障害

介護長期滞在型の医療施設である介護療養型医療施設が2024年に廃止される予定で、介護医療院が今後その代わりになる。残念ながら、まだ施設数が僅少です。

特養でみられなくなるような重度の要介護高齢者に長期にわたる医療行為を行いながら、日常生活の場を提供する施設です。単独の施設と医療機関の付属施設の2タイプできるようです。
医療行為を行うことができるので健康保険と介護保険を使うことができます。

●医師は常駐。看護師が24時間常駐しているところもある。
●ケアマネージャーが常駐

3)特別養護老人ホーム: 中以上の障害

老人福祉法による介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護高齢者のための生活施設です。入居する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うことを目的とする施設です。
入所中の健康管理は特養の担当医師がみますが、常駐の医師である必要がありません。担当医師の判断で健康保険で施設外のどの病院にも受診可能です。これは老健と異なるところです。

入所するまでの待ち時間が長く、東京郊外の施設では400人以上待ちのところも多々あります。

筆者の父は脳梗塞で認知症になり身体も動かなくなり特養に入っていました。年数が経ち認知症が酷くなってきて、自分で食事ができなくなると退所しなければならなくなりました。その後長期療養型の病院に入り、そこで亡くなりました。

医師、看護士は常勤でなくてもいい。ケアマネジャーが常駐。

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