一人っ子の介護

ひとりっこの方が介護者であっても、その人が置かれた家庭環境で負担は大きく異なります。
結婚している場合、旦那さんや奥さんがいるため、普通は少しは助けてもらえます。
愚痴を聞いてもらえるだけでも精神的にはかなり楽になると思います。
ご本人たちはその自覚がないようですが、独身介護者から見ればとても恵まれています。

配偶者がいる場合のひとりっ子介護では
1)相談相手がいる
2)配偶者が運転できれば、病院や介護で車を出してくれる。相手家事や片づけが得意なら手伝ってもらえる。
3)緊急時にも助っ人がいる
4)相続のときに争いになる兄弟がいない。負の遺産もプラスの遺産もすべてひとりで責任を持つ。
5)稼ぎ手が二人いるため、金銭的に余裕があることが多い。

家に助け合うことができる家族がいれば大変なことも悲壮感が少なくなるのではないでしょうか?

一人っ子でなくてもシングル介護は辛いものです。兄弟がいても知らんぷりで遺産だけはしっかり取りに来る人間も世間には多いのです。
兄弟は他人の始まりであり、特に男兄弟は結婚した後は相手の女性の影響を強く受けやすいため、結婚後は縁が遠くなりやすいです。
お金は出さない何もしないのに文句いうだけの兄弟がどれだけ迷惑なことか…。
そういった雑音や兄弟間の争いがないだけ、一人っ子さんのシングル介護の方が割り切れると思います。

ずっと大人の中でひとりで育った人は、子供の頃周りが大人だけでさびしかった一方、兄弟間で扱いに差別がある等の理不尽さも経験しなかったわけです。
毒親など例外はありますが、一般的にはお金も愛情もひとり占めできたはず。
両親が資産を持っていればそれをひとりで相続できます。

一人っ子であろうがなかろうが、残念ながら、親がどれくらい資産を持っているかで介護の悲惨さは左右されます。
シングル介護中に介護離職して重度の介護が必要なお母さんを自ら手にかけ、ご自分も自殺を図った京都伏見の事件をご存じないでしょうか?その方は刑を終えてからご自分で命を絶ちました。
私の住居の近所の駅で車いすに乗った親と子での飛び込み自殺がありました。言葉もありません。

世の中は不平等です。行政が路頭に迷う介護家族に手を差し伸べるのが本来の姿ですが、今の日本社会ではそれがきちんと行われていません。
生活保護を受けれなければ、共産党などの議員さんにご相談してみることお勧めします。
ひとりでいると視野がせまくなります。介護でなくても同じですが、助言をくれる方を見つけるのが大切です。

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